令和6年4月1日より相続登記が義務化されます

不動産登記の旧氏併記・ローマ字併記

法改正

令和6年4月1日より、不動産の所有権登記名義人につき、括弧書きにて旧氏併記、ローマ字併記ができるようになりました。

旧氏併記について

旧氏併記ができるのは、所有権の登記名義人に限ります。

表題部所有者、仮登記名義人、担保権利者等は対象となりません。また、日本国籍を有しない者も対象となりません。

旧氏が併記されるのは、次の場合です。

  1. 所有権保存登記(合体による登記と併せてする場合を含む)、所有権の移転登記、所有権更正登記(新たに所有権登記名義人になる者がある場合に限る)及び所有権登記名義人の氏についての変更(更正)登記をするときに旧氏併記の申出をした場合
  2. 既に所有権登記名義人である者が、旧氏併記の申出をした場合

必要書類としては、住民票(戸籍の附票)と戸籍謄本等が必要となります。また、複数回の氏の変更がある場合であっても、変更経緯の分かる連続した戸籍が必要となるわけではなく、住民票等で、名や生年月日から申出人の同一性が確認できるものであれば、途中の変更経緯までは必要ないとされています。

旧氏併記例

注意点

  • 複数の旧氏の併記はできません。
  • 既に旧氏が併記されている場合、併記されている旧氏よりも前の旧氏を併記することはできません。
  • 既に所有権の登記名義人である者が、旧氏併記の申出をしようとする場合で、申出人の氏名と所有権登記名義人の氏名が異なる場合は、前提として氏名変更の登記をしなければなりません。
  • 所有権の登記名義人の ”名” や、 ”住所” のみの変更(更正)登記の申請に旧氏の申出事項を記載して申請することはできず、別途、旧氏の申出申請を行わなければなりません。

ローマ字併記について

ローマ字併記ができるのは、外国人である所有権の登記名義人に限ります。

外国法人は、併記不可とされています。

漢字表記の外国人であってもローマ字を併記することとされております。

使用されるのはローマ字のみで、記号を使用することはできません。しかし、「Ⅲ、Ⅳ 、Ⅺ」等の表記は、「I、V、X」 の文字を組み合わせて表記することは可能とされています。また、住民票等に小文字で記載されている場合でも、大文字で表記されることになります。

ローマ字が併記されるのは、次の場合です。なお、旧氏併記と異なり、「申し出るものとする」となっていることから、原則として申し出る必要があります。

  1. 所有権保存登記(合体による登記と併せてする場合を含む)、所有権移転登記、処分制限の登記をする前提としての所有権の登記、所有権更正登記(新たに所有権登記名義人になる者がある場合に限る)及び所有権登記名義人氏名変更(更正)登記をする場合
  2. 既に所有権登記名義人である者が、ローマ字併記の申出をした場合

必要書類としては、ローマ字氏名を証する公的機関の証明書が必要となります。

  • 住民票(ローマ字氏名の記載あるもの)
  • 住民票がない場合は、有効期限内のパスポート(ローマ字氏名、有効期間の記載、写真の表示を含む)の写しに原本に相違ない旨の本人の署名または記名押印が必要となります。
  • 上記いずれもない意場合、ローマ字氏名が該当者のものであることに相違ない旨、パスポート(旅券)を所持ていない旨を記載した上申書が必要となります。

住民票がない場合は、さらに次の書類も必要となります。

  • 本国等政府の作成に係る住所を証する公的書面(訳文付き)等
  • 上記がない場合は、登記名義人と同一人であることを証明できる宣誓供述書(訳文付き)

注意点

  • ローマ字併記がされていない場合に ”住所” 変更の登記の申請でローマ字併記をすることはできない(別途ローマ字併記の申出が必要)
  • ローマ字併記は原則として申し出る必要があるが、申し出がないことのみをもって登記申請が却下されることはない。