令和6年4月1日より相続登記が義務化されます

休眠担保権の抹消手続き簡略化

法改正

休眠担保権の抹消手続き簡略化

休眠担保権とは、昭和初期もしくはそれ以前に担保権の設定登記がされていて、その後おそらく完済等により消滅しているだろうにも関わらず、抹消登記されることなく放置されていると思われる抵当権等の登記のことです。

これらの登記が残っていると、売却や、担保提供などがスムーズに行えず、手続きにかかるコストも増えることになります。

そして、これらの登記は原則、権利者と義務者の共同申請にて行う必要がありますが、しかしながら、古い登記の場合、抵当権者等の登記権利者ともはや連絡が付かないことも考えられるため、共同申請ができません。そこで共同申請の例外として一定の条件のもと単独で登記申請を行うことができる場合の規定が定められています。

しかし、これまでの規定では利用しづらいものとなっていたため、休眠担保権が放置されるケースが多々あり、所有者不明土地等を生み出す要因のひとつと考えられていました。

そこで、令和5年4月より休眠担保権等を単独申請により抹消登記ができる条件が次のとおり簡略化されました。

 契約の日から10年を経過した時は、登記権利者は単独申請により買戻し特約の抹消登記ができることとされました。

 ・登記原因 不動産登記法第69条の2の規定による抹消(登記原因日付不要)

 ・登記原因証明情報不要

次の要件に該当する場合、簡易裁判所に公示催告の申立てを行い、除権決定が得ることで登記権利者の単独申請により抹消登記ができることとされました。

 ・地上権、永小作権、質権、賃借権、採石権、買戻特約に関する登記であること

 ・登記された存続期間、買戻し期間が満了していること

 ・不動産登記規則152条の2に定める調査を行なったにも関わらず、共同して登記の抹消を申請すべき者の所在が判明しないとき

不動産登記規則152条の2で、所在不明者に関する調査方法が個人と法人に区別されて規定されています。

簡単に説明すると、個人の場合は、登記記録、住民票、戸籍、相続人等調査および配達証明付書留郵便等による調査が必要で、法人の場合は、法人登記記録、代表者の住民票調査及び配達証明付書留郵便等による調査が必要が必要とされています。

この除権決定による登記の抹消は改正前にも存在しましたが、70条2項が新設されたことに伴い、存続期間の経過による権利の消滅が推定されることにより、利用できる機会が増えるものと思われます。

共同して抹消申請すべき法人が解散してしまって、上記の不動産登記規則152条の2による調査を行なっても、解散法人の清算人の所在が判明しないため、先取特権、質権、抵当権に関する登記の抹消を申請できない場合、被担保債権の弁済期から30年を経過し、かつ、法人解散の日から30年を経過した時は、単独申請によりその登記の抹消申請ができることとされました。

 ・登記原因 不動産登記法第70条の2の規定による抹消(登記原因日付不要)

 ・登記原因証明情報例(不動産登記令別表26 添付情報 ホ)

  ① 金銭消費貸借契約証書、弁済猶予証書、弁済期の記載ある閉鎖登記簿謄本等の弁済期を証する情報

  ②法人の(閉鎖)登記簿謄本等の法人の解散日を証する情報

  ③不動産登記規則152条の2による調査過程で収集した書類、郵便記録を添付した調査報告書等の、調査しても法人清算人の所在が判明しないことを証する情報