令和6年4月1日より相続登記が義務化されます

取締役の利益相反取引

会社法人登記

取締役の利益相反取引

株式会社の取締役が、自己または第三者のために株式会社と取引をしようとするとき(直接取引)、または、株式会社が取締役の債務を保証することその他、取締役以外の者との間において当該取締役との利益が相反する取引をしようとするとき(間接取引)は、株主総会(取締役会設置会社では取締役会)の承認が必要とされています(会社法356条1項2号・3号)

次の直接取引の例を考えてみます。

株式会社T不動産の代表取締役Kと、株式会社S住宅の代表取締役Mの間で不動産売買契約を締結するというケースです。

この場合、T不動産の代表取締役Kは、S住宅の取締役でもあるため、S住宅からみると、第三者(T不動産)のために会社(S住宅)との間で取引することになるので、S住宅の株主総会(取締役会)の承認が必要になります。T不動産から見ると、KはS住宅のために取引をしていないので、T不動産の承認は必要ありません。

しかしながら、KがS住宅の全株式を保有していればどうなるでしょうか。

S住宅は、Kと同一と見ることができると考えられるとすると、S住宅(K)のためにT不動産との間で取引することになるので、T不動産の株主総会(取締役会)の承認が必要となります。

または、同一とみることができない場合であっても、上記の事情から間接取引に該当するとされます。

KがT不動産の全株式を保有している場合であれば、よほど不公正な条件で取引を行い、債権者を害するなどの事情がなければ問題となることはありませんが、そうでない場合、取締役の任務懈怠責任の追求を受けたり、会社から無効の主張をされたりといった問題が出てくることになります。

不動産登記では、形式的審査しか及ばないので、上記の事例であれば、S住宅のみ議事録の添付が必要となるケースですが、会社法では、株主構成により利益相反を検討する必要があるケースがありますので、注意が必要です。

承認を得ないでした取引について、会社は無効を主張できるとされています。

(※善意の第三者が利害関係を有するに至った場合は制限される)